始まりの終わり

月が照らす夜 
時間はもう零時を越えていただろうか。 
普通ならもうすでに人気なんてないようなものだが 
一人、その月光に照らされていた者が居た。 
「ふぅ・・・先輩達も本当、酒癖が悪いというか・・・」 
竜希(リュウキ)は少し溜め息を吐きながら呟いた。 
ふと、携帯に目を当てる・・・もうすでに深夜帯じゃないか。 
明日も学校あんのに・・・そしてまた溜め息をつく。 
 
「・・・しょうがない、早く帰りたいし、あの公園、通るか」 
そう言いながら竜希は少しだけ道を逸れ、暗闇を進んでいった。 
 
「ただ、あの公園・・・変な噂ばかり聞くんだよなぁ・・・ま、俺に限ってんなこと起きないよな」 
そう、その公園では何かと噂が立っていた。 
幽霊がいるだの、変質者が出ているとか、全て先輩とか友達から聞いた物だが。 
だが、俺が一番危惧してたのは・・・男が男を襲う事が[あった]らしい。 
実際に被害に遭ったヤツが居たらしいが・・・警察にも届けていないみたいだ。 
普通ならトラウマ物にでもなるんじゃないか?それとも・・・ 
 
「口止め、でもされてんのか・・・」 
俺は少し頭を振った。 
今からその公園を通るってのに、こんな事ばかり考えていてどうする。 
そうだ、実際に俺がそんなヤツに会うとも限らないし、うん。 
それに、俺の体狙うヤツなんざいないだろう・・・ 
竜希は少しだけ自分の体を見回した。 
タンクトップにジーパン、少し小さなカバンを背負っている。 
そして、少し汗くさい、気になるほどじゃないが・・・ 
 
「ま、まぁ・・・気にしてもしょうがないよな・・・それに」 
竜希は立ち止まった。 
 
「もう、入り口まできたしな・・・」 
公園の入り口に、竜希は居た。 
 
「・・・っても、この公園広いな・・・向こう側が見えないとは」 
いくら目を細めても、一切、光も見えない。 
見えるのは月夜に照らされてる木々だけだ。 
 
「まぁ、真っ直ぐ進むだけだ・・・」 
俺はそう自分に言い聞かせると、カバンを背負い直して、公園の中へと進んでいった。 
 
 
「本当、街灯の一つもねぇのな・・・」 
竜希は周りをキョロキョロと見ながら歩いて進んでいた。 
これだけ広い公園なのに一つも街灯がないとは・・・どんだけだよ。 
元から竜希は暗い所が苦手な上、この状況で少し、不安になっていた。 
・・・幽霊なんざでねぇよな・・・ 
 
     ――ガサッ! 
 
「ひぃぇっ・・・・・・」 
 
     ――・・・ニャーン 
 
「・・・猫、か・・・びっくりした・・・」 
俺は胸に手を当て、深呼吸した。 
・・・一気に心拍数が上がって、しんどい。 
 
「なんだかなぁ・・・」 
俺は少し落ち着き、また歩き出した。 
 
「っても、ほんと人気がないな・・・」 
この調子なら、なんとか通り抜けれそうだな。 
竜希は少しそう思っていた。 
 
「ふぁ〜・・・」 
竜希は欠伸を洩らした。 
部活明けに先輩達と付き合って居酒屋に行って、少しだけ飲んで、そしてこの帰り道。 
さっき猫に驚かされたので緊張の糸が解けてしまったのか、すごい勢いで眠気が襲ってきた。 
 
「早く帰って、寝たい・・・」 
竜希は片手で目を擦る。 
だがそんなことで眠気は帰ってはくれなかった。 
・・・意識が・・・ 
 
――ガッ! 
 
「あっ・・・」 
急に首元に衝撃が走る。 
痛いとか、そんなのより先に俺は、気を失った・・・ 
 
 
「・・・・・・zzZ」 
バシンッ!と音が鳴る。 
 
「っつ・・・」 
俺は頬の痛みとその音で起きた。 
まだ、意識がはっきりしないが・・・目の前に何かがいるのだけはわかった。 
 
「ここは・・・」 
 
「やっと気付いたか、竜人君よぉ?」 
ふと声がした方に顔をやる・・・ハイエナの獣人みたいだ。 
・・・しかし、なぜ全裸なんだろうか。 
 
「これは一体・・・?」 
少しずつ意識が戻ってきている・・・今気付いたが、自分も全裸だ。 
しかも・・・木に体を括り付けられ、両手は木を囲むように、両足は大股を開かされ、石に縄を括り付けられ縛られている。 
 
「まだ気付いてねぇのか?・・・お前は俺に弄ばれるんだよ!」 
・・・・・・まさか 
俺は、やっと意識がはっきりした、そしてすぐに浮かんだ答えは 
 
     逃 げ な い と 
 
「・・・ぐっ、ぬぅぅ・・・」 
力いっぱいに綱を引っ張るが・・・きつく締め付けられているせいでビクともしない。 
足も手も使えない、どうしろって・・・ 
 
「へへ・・・逃げられねぇよ」 
そう言いながらその獣人は俺に近付いてきた。 
 
「く、来るな!」 
俺は精一杯の抵抗を・・・声しか出せないが。 
しかし、そんな抵抗なんて、無いに等しかった。 
 
       ――チュッ・・・ 
 
・・・俺、今、何、された・・・? 
「噛んだら、許さねぇからな」 
そういいながらハイエナ獣人は竜希の口内を舌で犯す。 
クチャクチャ、と濡れた音が出る。 
 
「んっあっ・・・」 
俺は抵抗も出来ないまま、少しだけ涙を流していた。 
恐怖と不安が混じり合っているのもそうだが 
だって・・・まだ誰ともキスしたことないのに・・・ 
 
「っはぁ・・・」 
ハイエナ獣人が口を離す。 
唾が竜希の口とハイエナ獣人の口の間に橋を作って、それが月光に照らされてキラキラしていた。 
 
「・・・やめて、ください・・・」 
俺は、声を震わせて相手に言った。 
だが、答えは・・・ 
 
「あ?聞こえねぇなぁ?」 
ハイエナ獣人はそう言いながら竜希のマズルを片手で掴み、目を合わせた。 
 
「・・・帰らせて・・・」 
竜希は目に涙を溜めていた。 
 
「・・・ぜってぇ、イヤ♪」 
ハイエナ獣人はそう言うとマズルをから手を外し、俺の体に触れた。 
「こんな良い体、してんのに帰す訳ねぇだろ?」 
人差し指で胸から腹筋にかけて沿わす。 
なぜか少し、ゾクゾクする・・・ 
 
「そんな・・・あっ」 
ハイエナ獣人の指はすでに腹を越えて、股間に行っていた。 
そして少しずつ竜希のスリットに入っていく。 
 
「だ、ダメ・・・やめて・・・」 
 
         ――グチッ・・・グチュウ・・・ 
 
「ひぃっぁ・・・だめ・・・」 
俺は少し体が無意識に震えるのに気付いた。 
不安・・・じゃ、ないのか・・・? 
 
「そんな事言っておきながら、こっちは正直だぞ?へへ」 
ハイエナ獣人は竜希の言葉なんて聞きもせず、人差し指だけじゃなく、二本、三本と指を増やしてスリットを拡げていく。 
辺りには卑猥な音が響く・・・だが、人気がない今、誰にも気付かれない。 
 
「そんな事・・・あっ・・・」 
体を退こうにも動きも取れず、男にこんな事されて・・・ 
竜希のスリットからは大きなモノが顔を出してきた。 
 
「出てきたな・・・」 
ハイエナ獣人はそう言うとスリットから手を離し 
モノを一気にくわえこんだ。 
 
「あっあ・・・」 
竜希は今まで感じたことがなかった快感に襲われていた。 
そして、不意に・・・気持ちいい、と思ってしまった。 
あんな酷い事されたのに、なんで・・・ 
 
「・・・すっげぇイカくせぇぞ、てめぇの」 
ハイエナ獣人は一度口を離し、今度は手で扱き出した。 
そして、また竜希の口内を犯す。 
今度は竜希のモノに付いていた粘液も混ざり、さらに口内はグチャグチャになっていた。 
 
「んくっ、んぁ・・・」 
ハイエナ獣人の唾と、俺の粘液が流れ込んでくる。 
少し、気持ち悪いが・・・どうしてだろうか 
なんだか、この変態的な行為に、妙に興奮してくる。 
 
「へへっ、んじゃ次は俺のを舐めて貰おうか」 
そう言うと口を離し、ハイエナ獣人は立ち上がった。 
そして、俺の目の前に、モノが現れた・・・俺のよりは小さいが、立派なモノなんじゃないかと思う。 
 
「い、いや・・・」 
俺は顔を逸らした。 
そんな、男のモノなんて・・・汚いし・・・ 
だが、こんな状況でNOと言っても、選択肢はOKしかなかった。 
 
「否定はさせねぇよ?」 
そう言うとハイエナ獣人はモノを無理矢理俺の口に付けた。 
我慢汁が付いた・・・ネチャッとしてる。 
俺は仕方なく、口を開いた。 
それを見てすぐにモノは俺の口の中に入っていく・・・すごい、臭いが・・・ 
 
「噛んだら、わかってんな?」 
ハイエナ獣人はそう言うとゆっくりと腰を振り出し、竜希の口内を犯しだした。 
俺はどうすればいいかわからず、とりあえず噛まないようにしていた。 
 
「・・・おら、舐めろ!」 
そう言いながらハイエナ獣人は俺の角を持ち、一度俺の口内からモノを抜いた。 
俺は少し戸惑ったが、恐怖心・・・と少しの興味心で舐めてみた。 
少し舐めただけでモノが脈動するのがわかる・・・それに、熱い。 
 
竜希は根本から先に舌を這わした。 
 
「いい感じだ・・・ほら、吸え!」 
そう言うとハイエナ獣人は俺の角から手を離し、モノを俺に向けた。 
・・・我慢汁が出てるのが見て分かる。 
まさか、これを吸えって・・・? 
 
・・・どうせ今の俺には否定は出来ない・・・ 
 
竜希は思い切って、カリの部分を口に入れて、吸った。 
 
・・・なんだか、しょっぱい。 
 
「大分素直になってきたじゃねぇか・・・」 
そう言うとハイエナ獣人は俺の頭を撫で、また犯し始めた。 
少し思い立ち、舌でモノを絡めてみる。 
すると、ハイエナ獣人はビクついた。 
 
「へへっ・・・気持ちいいぞ」 
少しだけ顔を見る・・・舌を出して、軽く悦に浸っている。 
 
俺はさらにモノに舌を這わす。 
 
そうすると、我慢汁も更に増えて、口の中がすごいことになっていく。 
そして、竜希はだんだんと、この行為自体に慣れてきた。 
一番最初の方にあった嫌悪感は無く、反対に好きに・・・ 
 
竜希は心の中で頭を振った・・・いや、俺にそんな趣味は・・・ 
 
そんな事を考えていると、不意に俺の口からモノが抜かれた。 
 
「ふぅ・・・次はお前の番だな」 
そう言うとハイエナ獣人は頭を俺の股間に下げ、モノにしゃぶりついた。 
 
「うあっ・・・気持ちい・・・あっ」 
自然と出てしまう声、それに舐め方がうまくて、すごい気持ちよくて・・・ 
 
もう、すぐにでも出ちまいそう・・・ 
 
「んくっ・・・ふぅ」 
と、少し体が強ばった瞬間に、ハイエナ獣人は舐めるのを止めた。 
そして立ち上がり、後ろの方にあったハイエナ獣人の物らしきバッグから・・・ナイフを取り出した。 
 
「えっ・・・イヤ、やめてくれ!」 
どんどん近付いてくる、ナイフを片手に。 
俺はどうしようもなく、目を瞑った。 
 
     ――ザシュ、ザシュ・・・ 
 
痛みは・・・なかった。 
気付くと、体が楽になっていた・・・縛られていた綱が切られたからだ。 
そして順々に手足の綱も・・・ 
 
全ての綱を切り終わると、ハイエナ獣人はこう俺に言った。 
 
「ここから逃げたければ逃げな、服とバッグはお前の木の後ろにある」 
 
「だが、まだ俺としたいってなら、こっちに来い・・・付き合ってやる」 
そう言いながらハイエナ獣人はナイフを自分の後ろ側に投げた。 
 
   ・・・俺は・・・・・・ 
 
        ――ギュッ 
 
「・・・ここまでさせて・・・逃がすなよ」 
俺は、ハイエナ獣人に抱きついた。 
自分でもわかるくらいに顔を真っ赤にさせて。 
 
「そうか、なら・・・」 
ハイエナ獣人は少しだけ背伸びをして、俺にキスをした。 
俺も少し顔を下げ、ハイエナ獣人に届くようにした。 
 
「こっち、来い」 
そう言うとハイエナ獣人は俺から少し離れ、木を背にして座り、股を開いた。 
 
「・・・来いよ?」 
 
「・・・」 
俺は照れを隠しながら、腰を落とし、穴にあてがった。 
穴はなぜかもうすでに濡れている。 
・・・ビデオとかで女の人にこんな事してたの見たことあるけど・・・こうでいいのかな・・・ 
行為自体は知っている、だけど、こんなの女性の人とだけやるものだと思っていた。 
 
「そのまま、突き入れろ」 
俺はその言葉の言うとおりに、自分のモノを穴に入れていった。 
・・・きついけど、少しずつ入っていく。 
 
「すごい・・・きついけど・・・」 
 
  ・・・気持ちいい 
 
まだ、半分辺りしか入っていないが、それでもう十分に気持ちがいい。 
それに、中がすごい暖かい・・・ 
 
「うわっでっけぇ・・・」 
ハイエナ獣人がふと声を洩らす。 
口からは唾が垂れ、モノからは先走りを流している。 
 
「後少しで・・・・・・」 
さらに腰を突き入れる。 
そして・・・全て、入った。 
 
「動かして、いいのか・・・?」 
 
「・・・動かせ」 
その言葉を聞いた瞬間、俺は腰を動かした。 
最初はまだきつく、抜き差しするのに時間が掛かったが・・・どんどん、とろけていった。 
 
そしてハイエナ獣人は時々顔を歪ませていたが・・・今じゃ突くたびに 
 
「はぁっ・・・気持ちいいぞ・・・あぁっ!」 
 
まるで腹の中を抉るように突いて、抜くという行為が、一番気持ちいいらしい。 
俺も、ハイエナ獣人のモノがビクつくたびに穴が締まり、俺のモノが締め付けられて・・・すごい気持ちがいい。 
 
「・・・んむっ・・・」 
竜希は正常位から駅弁体勢に移った、モノは重力で無理矢理根本まで埋まった。 
 
「ひっあぁ・・・」 
ハイエナ獣人は力が抜けたような声を出し、竜希の肩に掴まる。 
 
そして、俺はキスをした。 
舌を入れ込み、口内を犯していった。 
さっきのこいつが俺にやったように・・・ 
 
「も、もう持たねぇ・・・」 
ハイエナ獣人は口を外すと、少し涙を零しながら言った。 
 
「俺も・・・もう・・・」 
俺はそう言うと腰を振るスピードを速めた。 
・・・俺はまた口でハイエナ獣人の口を閉ざした。 
 
    そして、その瞬間に、最奥に突き入れた。 
 
     「んっぁ・・・あぁぁっぁあっ!!!」 
 
 
ハイエナ獣人の雄叫びと共に、モノからは精液を勢いよく出し、体は痙攣しているかの如くビクビクしていた。 
俺も、中で果てていた・・・声は一応出たんだが、こいつに掻き消されたみたいだ。 
 
だけど・・・気持ちよかった。 
 
ふと、顔にかかった精液を舐める・・・少し、苦い。 
そういえば人のなんて舐めたことなかったな・・・当たり前だが。 
俺はそんな事を考えながら、脱力感にただ身を任せていた。 
・・・ハイエナ獣人を抱えながら。 
 
 
 
「おい、竜希、飯いかねぇか?」 
部活帰りに先輩がそう自分に言う。 
 
「あ、すいません、今日はちょっと用事がありまして・・・」 
 
「お、なんだ?彼女か?モテるねぇ♪」 
先輩はそう言って竜希を茶化した。 
 
「そ、そんな事じゃないですよっ!・・・それじゃ、また誘ってやってください」 
俺はそう言うと頭を下げた。 
 
「おうおう、また今度な!」 
先輩は俺の頭を撫で、先に行ってしまった。 
 
「はい!」 
俺はそんな先輩を見送ると、とある所に行った。 
 
「待っててくれてるかな・・・」 
竜希はとある公園の、入り口に立っていた。 
時間は夕方、丁度夕焼けが眩しい位の時間だ。 
・・・涼しい風が吹く。 
 
「よっ、待たせたな」 
ふと、振り返ると、彼はそこに居た。 
 
「ううん、全然待ってないよ・・・行こ?」 
竜希は手をギュッと繋ぐ。 
 
そして真っ直ぐ歩いていった、このだだっ広い公園を、前みたいに。 
 
 
お わ り  


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