家出

「っ!もうこんな村にいられるかよ!」
俺は川沿いを走っていた、右後ろには俺が住んでいた村があった。
そう、俺は家を出た、もうあんな退屈な所に居たくはない。
だがそれと同時に行く宛もなかった、そりゃそうだ、まだ俺はこの村から遠くに行ったことがない。
唯一この村から遠くに出れるとしたら一握りの大人だけであった。
・・・そう、ここら付近では色々な野獣がでる、昔、若者達だけで村を出て一人しか帰って来られなかった・・・だから大人しか村からの遠出は許されなかった。
「でもたいしたことないな・・・」
気付けば周りは草原だった、後ろを振り向けば川は見えるが、もう村は見えなかった。
「獣がうじゃうじゃしてるのかと思えば、全然いないじゃねぇか」
俺はなにも警戒せず、草原を歩いていた。

       ガサッ・・・ガサッ・・・

「!・・・まさかな」
俺は草が何かに当たる音がこちらに近づいてくるのがわかった、少しずつだが・・・
「・・・なんだ・・・あいつ・・・」
草をかき分けながら俺に近づいて来た「野獣」が分かった・・・俺はもの凄い嫌悪感と共に吐き気がしてきた。
その野獣は、犬に近い体つきで、目は飛び出し、背中は抉られ、辺り一帯に腐敗臭が漂っていた。
「こりゃ・・・」
俺はすぐさま逃げ出した、もし野獣がリカントなどなら体術でどうにかなるが、あんな化け物、見たことがない!
「バウ!」
俺が走り出したと同時に奴も俺に追ってきた、久々の獲物なのだろう、よだれを垂らしながら追ってきている。
俺は必死で逃げた・・・だが


「くそっ・・・追い込まれたか」
草原の端っこ、崖まで来てしまった、野獣は相手が逃げられない事がわかり、笑っているようにみえる。
「どこか、逃げ道は・・・!」
俺は後ろを見てさっきの川が垂直に流れているのを見つけた・・・そう、この竜人の後ろには滝があった。
「ここに飛び込めば・・・」
俺は野獣の動きを見ながら滝の方向へ少しずつ動き始めた。
後少しで川側にいけるところだった、その時、野獣は勢いよく俺を襲ってきた。
「っどわ!」
俺は慌てて避け、その拍子に


     崖から転落した

「うわぁぁぁぁぁぁぁああぁああ!!!」
上を見ると野獣の顔が見えるが・・・そんなの構ってられなかった。
「やば・・・下地面って・・・そうだ!」
俺は崖を思い切り蹴って水がある場所に行こうとした・・・が、思いのほか進まず、焦っていた。
「くそっ!くそっ!くそっ!・・・こんなところで死ねるか!」
俺は力を振り絞り、崖を蹴った・・・


・・・ピチャ・・・ピチャ・・・
静かな雨音が聞こえる、すごい眠気を誘う音だ。
・・・なぜだろう、なにか、暖かい物に包まれている気がする。
俺って・・・死んだのか?
そうだよな、あんな崖から落ちて、助かるなんて・・・
「・・・い・・・」
気のせいか、なにかの声すら聞こえだした、ここが天国ってとこなのか?
「・・・お・・・・・・き」
どうせ天国ならゆっくり休ませてくれ、あんな気持ちの悪いもん見せられたんだ。
「・・・生きて・・・くれ」
生きて・・・?俺はぼんやりする意識の中、ゆっくりと目を開けた。


「やっと、気付いたか」
ぼんやりする景色の中、特徴的な体をしている・・・この模様は
「・・・すまんな、暖める物がなくてこんな格好でな」
・・・間違いない、時々商人としてくる虎獣人だ、昔から虎獣人とは流行があったので覚えている。
「さむい・・・」
よく見るとお互い、裸だった、なぜかはわからないが・・・もの凄い寒くて、手に感覚が無かった。
「そうか・・・ならまだこうしていよう」
俺は恥ずかしがる事もせず、この虎獣人に体を預けていた、そして身を寄せた。
とても暖かい・・・虎獣人の方も両手を背中の方にやり、抱き寄せていただけだが、次第に足も絡ませてきた。
「こうした方が暖かいだろう?」
そりゃ暖かいが・・・なぜだろう、少しドキドキする。
「暖かい・・・」
俺は少し震えた声で伝えた。
「そうか・・・それはよかった」


ふと、虎獣人の顔を見ると、俺を心配そうな顔で見ていた。
・・・少し時間が経ち、やっと手の麻痺も取れてきた。
後少ししかこの温もりを感じられないと思うと何故か少し・・・いやだった。
「もう、大丈夫か?」
虎獣人がこっちの顔をのぞき込む形で見る。
「・・・あぁ、しびれがなくなった」
俺は一応、本当の事を言った・・・なんなんだろう、さっきからあるこの恥ずかしい感情は
「そうか、ならそろそろ・・・」
虎獣人がそう言うと俺は無意識にこう言ってしまった。
「もう少しだけ・・・」
俺はさらに身を寄せ、もう顔と顔が付くんじゃないか、という所までひっついた。
・・・なにか股間辺りに暖かい物を感じた、見るまでもなく男のモノ、だろう。
「・・・すまん、もう我慢できん」
虎獣人はそういうと、俺の顔を向かせて、キスをしてきた。
「!・・・はふっ・・・」
この時の俺は行為自体知っていた、が、まだ未経験だった。
虎獣人は次に俺の舌に舌を絡ませてきた、俺もそれに合わせて舌をごこちないながらも絡ませた。
辺りにぺちゃ、ぺちゃと音が鳴り響く、そしてなんだろうこのドキドキは・・・今から体験することに対してのドキドキなのだろうか
この時はまだわからなかった、ただ
気持ちよかった。

「ん・・・お前こういうのするの初めてか?」
虎獣人は一度キスをやめ、俺に問いかけた。
「・・・あぁ、キスすらしたことない」
虎獣人はそれを聞き、こう言った。
「ならファーストキスは俺がもらっちまったな・・・いやだったか?」
俺は首を横に振った。
俺はファーストキスなど、興味はなかった。
「そうか・・・ならよかった」
そう言い、虎獣人はさらに舌を絡ませた。激しく、熱かった。
いつの間にか俺の物も穴から出ていた、虎獣人には負けるが、それなりにでかいと思う。
「・・・良いことをしてやろう」
そう言うと虎獣人はキスを止め、俺を抱きかかえていたのを止めて、俺を仰向けにさせた。
「・・・んあっ!」
よく見ると虎獣人は俺のをくわえていた、ざらついた舌が俺の物をさらに刺激して感じたこともない快感が俺を襲った。
「っふ、ほら、お前も舐めてみるか?」
そういうと虎獣人は腰をあげ、物を俺の頭上に持ってきた。
俺は少し興味本位で舐めてみた・・・少ししょっぱいが、なんでだろう、少し興奮する。
俺は少しずつだが虎獣人のモノを口に含んでいった。

少しずつ口の中の空間がなくなっていく。
そして入れていくと同時にしょっぱい物が口の中で広がっていった。
・・・全て口の中に収まった、少し動かせば喉に当たりそうだ。
「んっ・・・いいぞ」
よく見ると、虎獣人は俺の物を含んでる口で上下に揺らしながら手で扱いていた。
俺も負けじと、同じ行動をした。
だが虎獣人はあのざらついた舌で裏筋を舐めてきた・・・今までにない快感が体を走る。
「あっあ・・・だめだそんな・・・あっ・・・」
俺はすでに限界まできていた、元々余り自慰行為はしないのでそこそこ溜まっていたのもある。
「・・・出してもいいぞ」
虎獣人は扱きながらそう言い、さらに勢いを増した。
「だめ、だぁっ・・・で、出る!」
俺は腰の仰け反らせ、虎獣人の口の中で果てた、初めての行為に興奮してだろうか、自分でもわかるくらいにもの凄い量を出してるのがわかる。
「・・・よく出たな、溜めていたのか?」
虎獣人は俺から出る物を全て飲み干し、俺から体をどけて立ち上がり俺を見下ろす形で言った。


「・・・まぁ次は俺の番だな」
そう言うと虎獣人は自分の物を指さした。
俺は軽くうなずくと中姿勢になって虎獣人の物をくわえた。
「そうだ・・・顔を動かしてくれないか?」
そう言われて、さっきしていた事を思い出した。
俺は顔を左右に揺らしながら手で扱いた、そうするとさっきのしょっぱい液がまた口の中にあふれ出した。
「おっ、うまいぞ・・・」
そう言うと虎獣人は俺の頭を抑えて自ら腰を振り出した。
最奥に突かれるたびに喉に当たりそうになるが、調整してくれているのだろう、当たることはなかった。
「すまんな・・・おじさんも出そうだ」
そういうと次第に腰の振りが早くなっていった、そして、最奥に突いた時だった。
「・・・出るぞ!」
そう言った瞬間、俺の喉に熱いものが注がれた・・・熱くて、少しどろどろしていて、味は言い表せない。
だが、妙に興奮する味だった。
虎獣人は出し切ると、俺から物を抜き、俺と顔を合わせる形に座った。
「うまかったぞ・・・」
そう言うと虎獣人は俺に抱きつき、またキスをした。
勿論舌を絡ませて、もうこの行為に対する恥じらいはなかった。
寧ろ望んでいるかも知れない、そうすら思えてきた。
「・・・次はもっと気持ちいいことをしてやろう」
なんだろう?と思ったが聞く前にまた仰向けにされた。
「ほら・・・っと」
「!・・・なにを?」
俺は少しびっくりした、仰向けから尻を上にあげる形にされたからだ。
「いいから、力抜いてろ・・・」
そう言うと虎獣人はおもむろに俺の尻尾をどけ・・・
穴を舐めてきた。

「あっ、そこは・・・」
俺は少し抵抗したが、次第に抵抗を止めた。
少し、気持ちいいからだ。
ぐちゅ・・・ぐちゅ・・・、という音が俺をまた興奮させ、さっき出したモノがまた硬くなっていく。
だが、いきなり尻に痛みが走った、俺は虎獣人をよく見ると、指を一本、俺の穴に突き入れていた。
「いっつ・・・」
少し表情は歪ませた、それを虎獣人が見て
「最初は痛いだろうが、後々気持ちよくなるぞ」
そういうと虎獣人は舌で俺の穴を溶かしながら一本から二本、二本から三本へと数を増やしていった。
俺は痛かったが・・・次第に痛みも薄れていった。
「そろそろいいな・・・」
そう言うと虎獣人は入れていた3本の指を抜き、また俺を仰向けにさせた。
「ここからどうする・・・?」
俺は上半身だけを持ち上げ、虎獣人に聞いた。
「まぁ、いいこと、だ」
そういうと虎獣人は俺に覆い被さった。
「いくぞ・・・」
そういうと虎獣人は俺の穴に物をあてがった・・・まさかとは思っていたが、もうここまで来た、今更引き返せないだろう。
「あぁ・・・」
俺は弱々しく声をあげ、虎獣人の顔を見て頷いた。

頷いた瞬間、少しずつ虎獣人のモノが俺の中に入り込んでるのがわかった。
少しきついが・・・慣らされているからだろう、そこまで痛くない。

だが半分くらい入った所だろうか、急に痛みが増してきた。
「痛っ・・・」
そう言うと虎獣人は入れるのを止めて、俺の顔を見た。
「大丈夫か?」
「これくらい・・・やってくれ」
俺はそう言い、体を任した。
「わかった、じゃあ遠慮無しにいくぞ」
そう言うと虎獣人は俺の体を抱き上げ、顔と顔が向き合う形になった。
そして、自分の重みで穴に物が沈んでいくのが痛みでわかった。
「んんっ・・・んあぁっ!」
その後、一気に沈み、虎獣人の物の根本までくわえ込んだ。
「おぉ・・・なかなかきついな」
そういうと虎獣人は俺の顔を見ながらこういった。
「腰、振るぞ?」
俺は軽く頷いた、そうしたら虎獣人はまた俺を仰向けに倒し、ゆっくり腰を振り出した。
突かれるたびに腹が圧迫されているのがわかる・・・だがなぜだろう
ある点を突かれるたびに、少し気持ちよくなる。
「お前も・・・」
虎獣人がそう言うと、俺を抱き上げ、俺のモノを扱きだした。
「うあっ・・・くぅう!」
尻から来る快感と、直接扱かれている快感とで俺は悶えるしかなかった。
もう突き入れられる痛みはなかった。
「んっ・・・すごいぞ・・・おじさんのモノに引っ付いて来て・・・またイキそうだ」
そう言うと、虎獣人は右手で俺のモノを扱きながら左手で俺を力いっぱいに抱き上げてきた。
そして俺もまた限界が近づいてきていた、モノからは止めどなく液が流れ、その液だけで虎獣人の手はどろどろになっていた。
「俺もっ・・・もうダメだっ!!」
俺はそういうと全身が強ばるのを感じた、そして次の瞬間
「「・・・あああっ!!!」」
腹の中で熱いものを感じた瞬間、俺はまたイッてしまった。
さっきよりも濃く、長い間射精は続いた・・・気付いた頃には俺と虎獣人の腹は俺の精液でべったべたになっていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
俺は疲れ切り、虎獣人に身を任していた。
「若いな・・・こんなに出して」
そういうと虎獣人は一度俺を地面に仰向けにさせ、ゆっくりとモノを抜いていった。
「ああっ・・・うぅ・・・」
俺はモノをビクつかせた、抜く際にまたある点に触れたからだ。
それに、尻の穴から虎獣人の精液が流れ出てるのもわかった。
「ん?まだいけるのか・・・おじさんはもうきついな」
そう笑いながら言うと虎獣人は俺の横に仰向けになった。
俺は肩で息をしながら、気になっていた事を質問した。
というより、なんで今まで聞かなかったんだと思った。
「なぁ・・・なんで俺はこんな所に・・・」
少しずつだが、冷静になって周りを見てみた・・・よく見たらここは洞窟みたいだ、たき火も焚いてある。
だが俺はあの崖から・・・俺の考えている疑問は虎獣人の言葉で答えがでた。
「あぁ、お前覚えていないのか?・・・滝の滝壺ら辺で気絶してたんだぞ」
「そこでおじさんがお前を見つけて、近くにあったこの洞窟に・・・」
・・・っていうことは俺は辛うじて地面じゃなく、滝に落ちたのか。
俺はそれを聞くとなぜか、疲れがどっとでた。
「・・・助かってた・・・のか・・・」
俺は安堵したと共に少し残念な気持ちになった。
多分、後少ししたら村に戻ることになるだろうからだ。
「なんだ?死にたかったのか?」
俺は首を横に振った。
「俺は・・・村を出たかった・・・あんな退屈な村なんて・・・」
つい、本音が出てしまった・・・なぜだろう、この人なら心を許せる気がしていた。
体の関係を持ったからじゃなく・・・惚れてしまったのだろうか。わからない
「・・・まさか、デビラ村の子か?」
聞き覚えがある村・・・そうデビラ村は俺の村だ・・・だがあんな辺境に立っている村、いくら商人をしている虎獣人でも数人しか存在を知らない。
「あの村には商人だったうちの親父から世話になっていたが・・・まさか村長さんの子か?」
俺は少し驚いた・・・実際に自分があの村の村長・・・親父の息子だからだ。
「なんでその事・・・」
そう言うと虎獣人は懐かしむ様に話してくれた。
「いやな、昔商人だった親父の手伝いをしてたんだ、その時にデビラ村にも行ってたんだ」
「俺もその時はまだお前みたいに若くてな、手伝いが終わったらすぐ村の子達と遊んでたのを覚えているよ」
今の俺くらい・・・昔の商人・・・そのキーワードが少し引っかかった。
「その時、一番やんちゃで、そして一番の甘えん坊だったのが、お前だよ」
・・・まさか、まさかな・・・、俺は少し声を震わせて言った。
「まさか・・・あの時のお兄ちゃん・・・?」
「ふっ、その言い方もあの時から変わらないな」
軽く笑いながら虎獣人は言った。
「本当にか・・・?」
俺はそう言うと俺は虎獣人の方に体を向けた。
そうすると虎獣人も体をこちらに向けてきた。
「嘘を言ってもしょうがないだろう?・・・甘え君」
その言われ方にも聞き覚えがあった・・・ただ一人にしか言われなかったが。
そう言いながら虎獣人は俺の鼻を突いた。
「まさかこんな所で会うなんてなぁ!」
ガッハッハ!、と虎獣人は笑った、この笑い方にも聞き覚えがある。
俺は思わずまた身を寄せ、抱きついた。
「・・・お兄ちゃん・・・俺さ」
「ん・・・なんだ?」
昔から憧れていた、強くて、優しい・・・俺は思わずこう言った。
「・・・お兄ちゃんと旅がしたい、俺、村の周りだけじゃなく・・・この広い世界を見たいんだ!」
・・・言ってしまった、俺は答えを聞くのが恐くて、目をいつの間にか閉じていた・・・
「・・・厳しいぞ?外の世界は」
虎獣人は俺の体を左手で抱きながらこう言った。
「それでもいいなら・・・来るか?」
俺は眼を開け、虎獣人の顔を見あげ、こう言った。
             「・・・行く!!」


こうして、虎獣人と竜人の物語は始まった。
まだまだ物語は続くが、それはまた別のお話で・・・